物質設計、合成

本研究室は多様な特性を持つ元素を組み合わせ、様々な特性を持った高機能材料を生み出す事を目指しています。

材料探索は全ての自然科学の根幹を成すものですから、同業の研究者は色んな分野にたくさんいます。物理,化学,地質,機械,土木,電気から生物,医学,薬学に至るまで、本当に様々です。皆さん立ち位置が違いますので、下手するとケンカになりますが、うまく融合すると新発見につながるかも知れません。

僕が縁もゆかりも無い金沢に来た理由のひとつは、そこにあります。即ち、全く違う発想を持った先生方や、育ちの全く違う学生と触れ合う事により、予想のつかなかったモノが生まれるかも?と、期待しています。

まあ、一言で言えば、大きな宝くじを当てに来た、と言う事です。

主に環境材料,構造材料をキーワードとした材料探索,開発を行っています。

高強度かつ低コストの骨材、太陽光発電•太陽熱発電が可能なコンクリート材、バイオマス燃料など、候補は様々です。その中で、ここ数年は磁気冷凍材料にスポットを当てた研究を行っています。

研究の一例(ある学生の卒料論文序論より抜粋)

 私たちは現在,様々な国際問題を抱えているが,その中でも注視されているのが環境問題である.現代社会において,冷蔵庫やエアコンなどフロンを冷媒として使用した各種の冷凍システムが世界中で利用されてきたが,フロンはオゾン層にオゾンホールを形成し,強力な紫外線が地球に降り注ぐために皮膚ガンなどの人体への影響が懸念されてきた.そのため代替フロンの使用が推奨されてきた.代替フロンは従来のフロンに比べ,オゾン層破壊係数が低いことを理由に代替されていたが,CO2に換算して数百~数千倍も地球温暖化を加速させてしまうことが分かった.このような状況において,フロンおよび代替フロンを使用しない新しいシステムの開発が重要な課題となっている.

 また,現代の科学技術は省エネルギーであることと,環境にやさしいことが強く求められている.冷凍は広範囲の応用分野があり,今後ますます需要の増大が見込まれている技術であるが,一方で排熱を伴うという問題がある.一般的な冷凍技術は,フロンや代替フロンによる,冷媒気体の圧縮・膨張サイクルを応用した気体冷凍が主力である.しかし,オゾン層の保護や地球温暖化防止などの地球環境への配慮が求められ,フロンや温暖化ガスを使わない新しい冷凍技術への要請が高まっている.

こういった時代背景の中で今注目されている技術が,希土類金属元素から構成された材料を用いる磁気冷凍技術である.磁気冷凍技術ではフロンや代替フロンを使わず,磁気熱量効果と呼ばれる現象により磁界変化を用いて温度変化を得るため,気体の圧縮・膨張を用いた従来の冷凍技術に比べ,高いエネルギー変換効率が得られる.そのため従来よりも少ない消費エネルギーで,より人工排熱の少ない冷凍システムの構築が望める.

 本研究では磁気冷凍技術の実用化に向けて,効率の高い磁気冷凍システムの構築方法を考究する中で,より実用的な材料の探索に取り組んでいく.

 

結晶育成炉たち

テトラアーク単結晶育成炉(左)。4本(=テトラ)のタングステン棒から試料に高電圧をかけ、放電(=アーク)する事によって溶融します。3000℃位まで上がります。右は育成中の単結晶。

 

モノアーク結晶育成炉(左)。こちらもタングステン棒で試料に放電して溶融します。右の写真のようにるつぼが4カ所あり、左上のるつぼ内が溶融しています。

 

シリコニット炉。1500℃まで上がります。

 

電気炉の制作

アルミナ製の筒にヒーター線を巻き付けてセメントで接着...

グラスウール(耐熱材)を巻き付け、廃材の鉄板を巻いて針金で固定

研究室立ち上げ当初はお金も無かったので、こうして結晶育成炉も自作していました。これでも1100℃位まで上がります。

 

試料整形の様子

放電加工機で精密に試料整形。ワイヤーから試料に高電圧をかけて放電してカット。きれいな平面を作ります。まぶしいのでサングラスをかけています。